31字の言葉は祈り

#アイドル短歌

太陽の海

 

 

(み)          水飛沫

(やだ)     「やだ!」と笑った

(て)         手をひかれ

(りょう) 両足が沈む

(た)         太陽の海

 

 

第一印象は「クセの強い人だな…?」だった。

ダンス動画で、目が離せなくなった。

喋り声とはギャップのある、高めで甘い歌声を探すようになった。

 

もう戻れない所まで来たと気付いたのは、笑顔を見た時。

「可愛い!!!」と心が叫んだ。

 

 

 

 

このまま落ちてしまおう。

周りの雑音が聞こえない所まで。

溺れても怖くない。

あなたの海は、あたたかいから。

あなたの光が、私の毎日を照らすから。

 

 

 

自選短歌(2022年)

 

『自選10短歌集2022』という企画に参加させていただきました。

 

 

誰のことを詠んだのか(敬称略)など、簡単に解説します。

 

この胸の内はあなたも知っている話すより速く触れるより熱く/渡辺翔宮舘涼太

ベタベタするわけじゃないけど、“お互いの思っていることは言わなくても分かる”というゆり組。

 

焦燥も歓喜も涙も道連れに左右対称(シンメトリー)を分かつ僕らは

私がジャニーズにハマったのは、立ち位置だけではない『シンメ』という概念を知った時。

 

白雪の頬を両手で包んでも「溶けないよ」って君は笑って/深澤辰哉

実際の場面ではなく、イメージソングです。

 

贈ったら毎日履いてくれますか365足の靴下/ゆり組

渡辺さんへクリスマスプレゼントを贈るなら?の宮舘さんの答えが素敵だったので。

 

あの頃の僕らはきっと驚いて見ている湯船に並ぶ僕らを/宮舘涼太 阿部亮平

一緒にお風呂に入っていたという2022年の舞台裏話。壁があった「あの頃」の彼らから、今の良い関係性を築いている彼らへ。

 

下の名で呼んだらあなたの特別になれるでしょうか「涼太、」なんてね/宮舘涼太

名字や、それにちなんだニックネームで呼ばれる事の多い宮舘さんだから。

 

新明解国語辞典の【恋愛】に異性の文字が消えた八版

占いのページで無邪気に並んでる彼氏と異性に舌打ちをした

日常詠の2首。

まだまだ異性愛が前提の世の中だなと思う事は多い。

でも、言葉や名付けで変わってゆくこともあるのだと思う。

(例えば、「LGBTQ」という名称でその存在が認知されるようになったり、昔は「看護婦」が一般的だったが、今は「看護師」で男性も珍しくないなど。)

 

完全に信じることはできなくて人間の君を人間の僕が/題詠『信仰』

アイドルも、ファンも、人間。

 

僕だけの色で彩る人生を泳ぐよ水面はもうすぐそこだ

アルバムのユニット曲『Color me live…』(佐久間 宮舘 阿部)

 

 

以上、『自選10短歌集2022』解説でした。

 

 

 

百合の香り

 

何処からか百合の香がする 君からのテレパシーが届くみたいに/ゆり組

 

 

POTATOの表紙が解禁されたのを見た時、真っ先に思い出したのがこの歌だった。

思い出した、というのは数ヶ月前に作ったものの、ゆり組だから百合ってベタかなと保留にしていたからだ。

 

ある初夏の休日、出掛けた先の駅の構内を歩いていると百合の香りがした。

マスク越しでも分かる、あの華やかな香り。

でも花の姿は見えない。

行きたい方向とは逆の角を曲がってみると、通路に百合の花が飾られていた。

気にも留めない人はどんどん通り過ぎてゆく。

 

ゆり組のふたりは、「お互い言わなくても考えていることは分かる」と言う。

 

目には見えない百合の香り。

心で聴こえる相手の心。

 

裸足の足元にそっと置かれた百合の花。

やっぱりふたりには、この花がよく似合う。

 

 

たとえばそれを愛と呼ぶなら

 

 

足先は冷えてませんかサンダルで冬の入口に立つあなたは/渡辺翔

 

「靴下を洗濯するのが面倒だから」とサンダルを年中愛用している渡辺さん。

それに対して宮舘さんは「身体を冷やさないでね」とか「風邪ひかないか心配」とか「靴下を買ってあげますよ」などというコメントを残している。

そんな心配をよそに、相変わらずサンダルを履き続ける渡辺さん。

 

 

 

このおかしあるよとすぐにおしえます ちいさいきみにまたあえるから/ゆり組

 

着想はこちらの動画から。

 

youtu.be

 

19:42~

最終問題「渡辺翔太がメンバーに言われて嬉しかった言葉は?」

宮舘さんの解答。

 

宮舘「このおかしあるよ」

メンバーから色々ツッコまれている中、渡辺さんは顔を真っ赤にしてずーっと笑ってる。

宮舘「ここで終わる宮舘じゃないですって、みなさん」

        「うまれてきてくれてありがとう」

渡辺「…おぉ…」

 

驚きと喜びと恥じらいがゆっくりと入り交じる、渡辺さんの笑顔。

 

“愛”を見た気がした。

 

 

【追記】

贈ったら毎日履いてくれますか365足の靴下

/宮舘→渡辺

 

2022年12月発売の雑誌にて。

お互いにプレゼントを贈るなら?という質問に「1年分の靴下」と答えた宮舘さん。

やはり今年も渡辺さんの足の冷えを心配している。

 

そんな渡辺さんが気に入っているサンダル。元は宮舘さんが履いていたのを真似したというのも、私が好きなエピソード。

 

 

ゆり組ってお互いのことをよく見ているなと思う。

つい見てしまうのは、相手を大切に思っているから。

ちょっと意識してしまうのは、特別な人だから。

…そうでしょう?

 

 

僕だけの色

 

『Color me live…』

 

Snow Man 2nd Album『 Snow Labo.S2』

「Color me live…」/阿部亮平宮舘涼太佐久間大介

 

 

『your color』

 

真夜中に魔法のピンクを飲み干して僕のなりたい僕になる朝/佐久間大介

 

雨雲も君が笑えば遠ざかり 新緑の海 木漏れ日は波/阿部亮平

 

心臓は鼓動で踊りもう誰も止められやしない駆け巡る赤/宮舘涼太

 

 

これらは以前、メンバーカラーを基に詠んだもの。作った時期はバラバラなのだが、並べてみると今回のユニット曲に通じるものを感じた。

 

改めて、メンカラって不思議だなと思う。

色に人が寄せられるのか。人が色を寄せているのか。

 

 

秘密

 

ドラマ『高良くんと天城くん』

 

(第1~3話はこちら)

ai-10810810.hatenablog.com

 

 

第4話

 

 

第5話

 

第3話までは、織山尚大さん演じる天城くん目線で物語が進んでいたと思う。

第4話では、佐藤新さん演じる高良くんの視点が丁寧に描かれていた。なぜクラス一軍グループの高良くんが、地味めな天城くんを…?という疑問を一気に解いてくれた。

だから今回の短歌は全て、高良くんから天城くんへの思いを詠んだものになった。

 

このドラマは、オール富山ロケだそう。

全体に流れるのんびりした空気はその影響もあるのかもしれない。

特に第5話はデート回で、私も一緒に出掛けている気分になった。

勿論、学校の屋上から見える山並みとか、帰り道の海岸とか、普段の景色も綺麗だなあと思って観ている。